巨人桜井俊貴投手(22=立命大)が7日、松井秀喜臨時コーチ(41)とブルペンでの“初対戦”で「不動心」を体現した。22球目を投げ終えた瞬間、松井コーチが「大丈夫?」と一声。夢対決の初球に投じたのは、チェンジアップだった。「その前からの流れがあったので」。憧れの人を迎えても、直球ではなく、チェンジアップを6球続けた流れを変えなかった。

 ブルペン前に掲げた課題も、不変だった。3度のブルペンでは投げなかったスプリットを解禁した。「今日は(事前に)試そうと思っていたので。決めた通りにやっていこうと思った」と5球連続で投げ、計8球をスプリットに要した。35球目には、カーブをひっかけ、足元を襲った。松井コーチから「当ててもいいから」と声を掛けられ、カーブを投球。心はブレなかった。

 投球後には、超一流からの金言を授かった。「いい球はきていたので、両サイドにしっかり投げられればいいんじゃないか」と言われた。「当てるとまずいと思ったので、外中心でした」と頭をかいたものの、助言をヒントに次なる目標を掲げた。報道陣から、高橋監督が打席に立てばと問われ「次こそ、内を攻められるように」と話した。

 夢の時間は約11分間、計38球だった。「体以上にオーラがすごかった。すごい経験をさせてもらった」と目を輝かせた。松井コーチは「力もあったし、変化球もキレがあった。あとは試合でそれだけの力を試せるか」と評した。「感謝です。生かせるように頑張ります」。今日8日、プロ初の対打者となるフリー打撃に登板する。