ソフトバンクの開幕投手に、武田翔太投手(22)とリック・バンデンハーク投手(30)が有力候補に挙がっていることが7日、分かった。工藤公康監督(52)は大役を指名する条件として、敵地仙台の寒さを重要視している考えを明かした。舞台は3月25日楽天戦(コボスタ宮城)。「若さ」「外国人」をキーワードにし、両右腕の名前が浮かび上がった。

 宮崎キャンプで工藤監督から開幕投手に関する注目発言が飛び出した。

 「開幕投手はみんな、気にしていると思うし、やりたいと思うけど、今年は開幕が早くて、寒い仙台だから。それなら、元気なやつの方がいい。若い人もそうだし、外国人もね」

 3年連続日本一を狙うシーズンの初戦は、3月25日の楽天戦。舞台は敵地コボスタ宮城だ。日の残る午後4時開始とはいえ、かなりの冷え込みが予想される。寒さに対応できる投手を重要視した。そこで挙がったのが、2人の名前だ。

 「去年、チームで一番勝った武田になるのか、バンデンハークか…」。指揮官は自らの体験として、若い時代は寒い中でも投げられた。ベテランになると、故障のリスクも高くなる。福岡で調整した後に仙台に乗り込めば、気温差もある。「無理にそこ(開幕)に合わせて、その後、肘とかをケガされても困る」。チームは4年連続で摂津を開幕投手に指名しているが、その一戦のためだけに負担をかけたくない。楽天3連戦の次はヤフオクドームの西武戦。ベテランは本拠地で順調にスタートを切ってほしいという親心をのぞかせた。

 武田は昨年4月8日の楽天戦で9回を3安打無失点に抑えた。極寒の仙台で、しかもナイター。環境に適応できることは実証済みだ。チーム最多勝の13勝という実績も残した。バンデンハークは日本よりも緯度の高いオランダ出身。今オフも母国でトレーニングを積んできた。欧米人は筋力量が日本人よりも多く、比較的、寒さに強いといわれる。両右腕なら、敵地でもパフォーマンスを維持する可能性は高い。

 「去年よりも開幕が早い。コーチのみんなと話し合って、練習試合が始まる前には決めたい」。対外試合が本格化するキャンプ終盤を1つの区切りに設定した。若さの武田か助っ人バンデンハークか。注目の開幕投手は二者択一の様相を呈した。