オコエよ、壁にぶつかれ-。沖縄・金武町の楽天1軍練習を視察した星野仙一副会長(69)が13日、ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手(18=関東第一)に、温かいメッセージを送った。

 星野副会長 どんどん壁に当たってほしい。そうでないと、プロはこんなものかと思ってしまう。2年前の松井裕の時も、俺はオープン戦で「打たれろ、打たれろ」と思っていたんだ。そこで失敗した経験が、次につながるんだよ。

 監督時代の14年、オープン戦で13イニング連続無失点など活躍した松井裕を、開幕ローテに組み込んだ。しかし初登板から3連敗と苦しみ、4月中に2軍降格を決定。それでも再昇格を勝ち取り7月に初勝利を挙げたドラフト1位の姿を思い出し、早い段階で課題と向き合う必要性を説いた。「オコエは自分を客観的に分析できる。今まで、こんな高校生はいなかった」。強い向学心と意欲を信じるからこそ、失敗を勧めた。

 初の対外試合、今日14日の韓国ハンファ戦は同副会長の御前試合となる。「8番中堅」で先発出場するオコエは「試合のことは、今は全く何も考えていません。1日1日が必死で、次の日のことを考える余裕がない。まずはサインを確認することから始めます」と謙虚に挑む。梨田監督は「16日までは、実戦でも細かい制約を設けないつもり。この2試合は、楽にプレーしてほしい」と、長い目で見守る。壁に当たった分だけ成長できる。今はただ全力で突き進む。【松本岳志】