日の丸の自覚だ。広島大瀬良大地投手(24)と菊池涼介内野手(25)が3月5、6日に台湾戦を行う侍ジャパンのメンバーに選出されることが13日、濃厚になった。ともに「代表復帰」となる2人。一時、フォームのバランスを崩していた大瀬良はこの日、日南キャンプのブルペンでキャンプ最多の83球。調子を取り戻してきた。

 ゆったりと足を上げ、スムーズにリリースまでつなげた。約1年ぶりの侍ジャパン復帰が濃厚となった大瀬良が、今キャンプ最多となる83球を投じた。心配無用とばかりにミットを小気味よく鳴らした。カープ投手陣の軸としてはもちろんのこと、日の丸を背負ってもやってくれそうだ。

 「今日はよかったと思います。少しずつよくなっている。制球も安定してきたし、フォーム自体もボールもよくなってきました」

 6日からの第2クール途中でブルペン投球を回避した。キャッチボールなどで感覚を取り戻し、全体練習終了後も午後6時過ぎまで投手コーチを交えてフォームチェックを行う日々が続いた。11日に4日ぶりのブルペン投球。ただ、改善点は明確。当初から「ポイントも分かっているので大丈夫です」と話していた。その言葉通り、日々の積み重ねできっちりと修正してきた。

 セットポジションでもキレのあるボールを投じ、周囲の不安を吹き飛ばした。緒方監督も「表情を見ていても心配はしてなかった。話していても暗くない。痛い、かゆいじゃないしね。本人もやることも分かっているし」と言及。畝投手コーチも「スムーズだったし、引っかかるような感じもなかった」と話した。

 大瀬良は「100球というのも考えましたけど、また明日、と思った。毎日いい状態を続けたい」と余力がありそう。さらに「僕はある程度投げないと、感覚を忘れやすい」と笑った。今後は球数も増やし、シート打撃、実戦と段階を踏んでいく予定だ。

 今日14日はバレンタインデー。今年も多くのプレゼントを手渡され「ありがたいしうれしいです。それだけ応援してもらっているということですし、頑張ろうと思える」。少しの“充電期間”も成長へのステップ。大瀬良はエース道をしっかりと歩いている。【池本泰尚】