「3つのチェンジ」で自らを磨く。中日ドラフト2位の佐藤優投手(22=東北福祉大)が14日、沖縄・北谷キャンプに再合流した。11日から卒論発表のために仙台に戻っていたが、練習再開初日に早速ブルペン入り。新球チェンジアップを試すなど、62球投げ込んだ。10日のシート打撃では打者9人に対し、被安打5。プロの厳しさを痛感し、変化球の精度の向上などを課題に取り組んでいく。

 久しぶりのブルペンに佐藤の全てが凝縮されていた。1球、1球、球種を捕手へと伝える。手元をじっと見つめ、握り方を確認。振り上げた左足の着地が変則的なフォームから、直球、変化球を交互に投げ分けた。「今日の球は良かったって周りの人は言ってくれました」と白い歯がこぼれた。手応えを感じたのには3つの変化があった。

 1つ目は「気持ち」だ。11日にキャンプを離れ、卒論発表のため仙台に戻った。タイトルは「情報と福祉について」。約2万1000文字の論文を「うまくいった」と堂々と披露し、卒業はほぼ確定した。学生から社会人になるため、「もっともっと集中して練習ができますね」と野球に打ち込める喜びがにじんだ。

 2つ目は「変化球の新区別」だ。10日のシート打撃で、被安打5と打ち込まれた。それでも「収穫だらけだった」と言い切る。なぜ、打たれたのか。ブルペンで他の投手を観察すると、球の質の違いがあったのだ。「プロの変化球は違う。自分のスライダーは大きく、ゆるい。なので(呼び名を)カーブにしようと思う」と分析した。スライダーをカーブに、鋭い変化のカットボールをスライダーと名称変更。この日からイメージを変え、変化球の精度を上げると意気込んだ。

 3つ目は「チェンジアップの習得」だ。ブルペンでの40球目、「チェンジアップ行きます!」と叫んだ。プロでは打者のタイミングを外す重要性が上がると判断。記憶の片隅にある握り方を思い出し、手探りで投じた。「ほぼ初めて投げました」と大きなワンバウンドになったが、今後の武器になると確信。昨季10勝を挙げた同僚若松を参考に磨き上げると誓った。

 環境も、プレースタイルも変わっていくが「僕は名古屋にいますが、東北から温かく見守ってくれたらうれしい」。変わらない東北への思いを胸に秘め、今日も汗を流す。【島根純】