ロッテの4番候補が開幕不在のピンチに陥った。拳銃の実弾1発をバッグに隠し持っていたとして、前日21日に銃刀法違反の疑いで、那覇空港で現行犯逮捕されたロッテのヤマイコ・ナバーロ容疑者(28)が22日、沖縄県警・豊見城署で取り調べを受けた。同署によると、本人は容疑を認めており、今日23日、那覇地方検察庁に身柄付きで送致される。逮捕を受け、山室晋也球団社長(56)らが謝罪。今後、本人から直接事情を聴いた上で、出場停止などの処分を決める。

 逮捕から一夜明け、ナバーロ容疑者の取り調べが始まった。豊見城署によると、若干落ち込んでいるが、素直に応じている。同容疑者が隠し持っていた実弾は長さ約3センチ、直径約1センチ。本国(ドミニカ共和国)から持ち込んだと話しており「自分のものに間違いない」と認めている。ただし、バッグに入っている認識はなかったという。今日23日、身柄付きで那覇地方検察庁に送致される。

 実弾は、那覇空港の手荷物検査で見つかった。逮捕容疑は、21日午後7時10分ごろ、国内線旅客ターミナル内の保安検査場で、実弾1発をショルダーバッグに隠して所持していた疑い。同日は、名護で日本ハムとのオープン戦に出場。試合後、次の遠征先の宮崎へ移動するため、鹿児島空港行きの便に乗る予定だった。

 球団は対応に追われた。同容疑者の母語であるスペイン語が出来る弁護士を手配。接見した弁護士によると、同容疑者は「いろんな人に迷惑をかけ申し訳ない」と話している。また、山室球団社長と林球団本部長がこの日、QVCマリンで謝罪した。「本人から直接事情を聴いて、速やかに処分を決めたい」(同社長)とした。10年2月に同じ容疑で逮捕された中日ネルソンのケースでは、中日が自主的に3カ月の出場停止を科した。ロッテは契約書に違法行為はペナルティーの対象と記している。約1カ月後に迫る開幕戦に出場できない可能性は十分ある。

 一方で、山室社長は「あらためてコンプライアンスの徹底と信頼回復に取り組みたい」と頭を下げた。外国人選手に対し、ドーピング規則などの日本のルールは説明している。だが「実弾を持ってはいけない等、具体的なことは言っていなかった」(林本部長)。ネルソンの件以降も、銃刀法のレクチャーはしなかったという。ドミニカ共和国では護身用に拳銃を持つことが認められている。ネルソンと同じ同国出身のナバーロ容疑者に、確認を徹底する必要があったと言われても仕方がない。

 ◆ヤマイコ・ナバーロ 1987年10月31日、ドミニカ共和国生まれ。05年にレッドソックス入り。昨季は韓国・サムスンでプレーし、48本塁打、137打点。韓国時代は遅刻の常習犯で素行が取りざたされた。183センチ、93キロ。右投げ右打ち。推定年俸1年120万ドル(約1億3800万円)独身。