扇の要が存在感を見せつけた。西武炭谷が先発出場した練習試合オリックス戦で2度の盗塁阻止。完璧なスローイングで開幕ローテ入りを目指す高橋光を助け、「自分の持ち味を、当たり前に出来たことがよかったと思う」とうなずいた。

 リプレーを見るかのようだった。まずは5回無死一、三塁。外角低めの直球を捕球すると、二塁ベース上へのドンピシャ制球で宮崎を刺した。続く1死一、三塁のピンチも、俊足小島の二盗を素早い送球で食い止めた。武器の肩で開幕戦相手の気勢をそいだが、「対外試合で初めて刺せたので十分かな、と思う。両方とも直球でしたし、今後はカーブなどで仕掛けてきたときに同じように出来れば」と、表情を緩めなかった。

 3月上旬からは台湾と強化試合を行う侍ジャパンに合流する。視察に訪れていた小久保監督からも「スローイングは12球団トップ。もちろん評価は高いです」と強い信頼を置かれる。課題の打撃も先発マスクの対外試合は3戦連続安打と好調維持。「盗塁を刺すのが捕手の全てじゃない。トータルでどうかですから」と、口元を引き締めた。【佐竹実】