日本ハム大谷翔平投手(21)が今季初の失点を喫しながらも、開幕戦への手ごたえをつかんだ。開幕前は最後の登板となるソフトバンクとのオープン戦(鎌ケ谷)では、課題を持って臨んだ初回は先頭打者弾を浴びるなど3点を失った。それでも勝負に徹した2回以降の4イニングは1失点に抑えた。5回6安打4失点と結果はイマイチだが、大谷は「いい形で開幕にいける」と自信を見せた。万全の状態で25日ロッテとの開幕戦(QVCマリン)へ向かう。

 大谷が初回の初球、真ん中に入ったストレートをソフトバンク福田に右翼席まで運ばれた。今季実戦4試合、11イニング目(降雨ノーゲームを除く)での初失点。「試す、試さないというのもありますけど、初回は(取り組みが)あまりよくない方向に出ていた」。直球がシュート回転し、制球も乱れた。3四球も絡み、いきなりの3失点で鎌ケ谷のファンは静まりかえった。

 試合前のブルペンから「(フォームの)バランスはよくなかった」と吉井投手コーチ。取り組んでいる課題について、本人は「いろいろあります。それは自分の中で消化できればいい」と明かさなかったが、降雨ノーゲームで前回登板が3回途中で終わっており、開幕までに試しておきたいことは数多くあった。だがその結果、1回に40球を要するほど苦しんだため、2回以降は「抑えに行く方に集中した」。調整ではなく、“本番モード”にギアを入れ替え、最終的には5回4失点。「逆に考えれば、しっかりと意図を持って投げたボールはよかった」と、納得して振り返った。

 5回1死二塁で迎えた柳田には、この日最速の159キロをマーク。中前にはじき返され、2回以降で唯一の失点につながってしまったが「甘くなったらきっちりと打ってくる。シーズンにしっかり生かしたい」と表情は晴れやかだった。

 米アリゾナから始まったキャンプ、オープン戦も、この日でラスト登板が終了。「いい形で開幕にいけると思う。勝ちに行けるように、ゲームがつくれたらいいです」。開幕戦へ、気持ちは高ぶっている。【本間翼】