巨人田口麗斗投手(20)が、甲子園でプロ初完投を演じた。6回に新井に1発を浴びたが、5併殺でピンチを脱出し7安打1失点。「正直ホッとしています。高校の時とは違いますけど、憧れていた場所。そこで勝ててよかったです」。今季5戦目で今季初勝利でもあった。

 体重を前に乗せて投げた。6回1死一塁。横田を外角低め128キロの直球で併殺打に仕留めた。140キロ超えの直球は1球もない。オフに覚えたツーシームと、武器のスライダーを低めに集めた。

 大投手との投げ合いから発見があった。今季は広島黒田、中日吉見と対戦した。2人が投げた後にマウンドに上がると、プレートからホームベースに向かって真っすぐの線があった。軸足の跡だった。「無駄なく体重が前に乗っているんだと思いました」。日本ハム大谷、楽天則本、先輩の菅野も同様の跡ができている。田口はまだ同じ跡はできないが、意識して投球のプラスにしている。

 20歳左腕の完投勝利は、球団では71年の新浦以来となった。今季チームで菅野以外の完投は初めて。「菅野さんみたいに最後まで任されるようになりたい」。チームは3連勝で、今季最多の貯金7とした。【細江純平】

 ▼20歳7カ月の田口がプロ入り初の完投勝利。巨人で20歳以下の完投勝利は12年5月1日宮国(20歳0カ月)以来になるが、左腕では71年6月23日新浦(20歳1カ月)以来、45年ぶり。田口は3回に高山、6回に横田、7回に大和、8回に北條、9回に横田を併殺打で仕留めた。1試合に5本の併殺打を打たせた巨人投手は63年4月21日大洋戦の伊藤、80年7月25日阪神戦の西本に次いで36年ぶり3人目だった。