プロ野球巨人の野球賭博事件で、警視庁は、既に賭博への関与が発覚している松本竜也(23)、高木京介(26)、福田聡志(32)の元選手3人を賭博容疑で書類送検する方針を固めたことが4月30日、分かった。福田元選手とともに賭博をした大学院生も立件する。賭博開帳図利(とり)ほう助容疑で逮捕された元選手笠原将生(しょうき)容疑者(25)が、客の元選手2人から賭け金計数百万円を集めていたことも分かった。

 スポーツ選手らによる野球賭博が表面化するたびに、警察は摘発を繰り返してきたが、いまだ根絶には至っていない。その背景の1つが、射幸心をあおって客を離さない「ハンディ」と呼ばれる独自のルールだ。

 勝ちそうなチームには、あらかじめハンディが付けられる。Aチームのハンディが1の場合、1点差でAが試合に勝っても引き分けと同じ扱いとなる。Aに賭けた客が配当を受けるためには2点差以上で勝つことが条件となる。なかにはさらに複雑な条件がつくケースもあるという。捜査員関係者は「ハンディは胴元の暴力団関係者が試合当日に作成すると聞く。今はインターネットでも配布されているようだ」。やりとりが携帯メールなどでされるために、「現場」がないことも捜査を難しくさせているという。