日本野球機構(NPB)は23日、東京都内で「マツダオールスターゲーム2016」の開催要項を発表した。第1戦は7月15日にヤフオクドーム、第2戦は同16日に横浜スタジアムで行われる。この日は全セのヤクルト真中満監督(45)、全パのソフトバンク工藤公康監督(53)が互いに相手チームのベストオーダーを選出。工藤監督は日本ハム大谷翔平投手(21)の二刀流起用に含みを持たせたが、伝え聞いた栗山英樹監督(55)は“一刀流”と明言した。

 今年も球宴は「一刀流」ですー。日本ハム栗山監督は、大谷が選出された場合の起用法について「(投打)どっちか。これはオレが決めることではなく、あいつの体を守るルールがある」と、投手か野手、どちらかに専念させる考えを明かした。

 公式戦中と同じ原則を守らせる。打者での2試合連続出場は可能だが、「投→打」もしくは「打→投」の連続出場は“ご法度”。指揮官は「最初から、それはダメ。この何年かの蓄積」とする。4年目を迎え、これまでの経験を踏まえて栗山監督、チーム内につくられた「大谷ルール」。将来を考えると、球宴でも崩すことは出来ない。

 昨年までと今季が違うのは、打率3割4分8厘、8本塁打とバットが好調な一方、投手では2勝4敗と苦しんでいる点。それでも投手としてファン投票選出されるのか、はたまた打撃成績を評価され監督推薦で選ばれるのか。栗山監督は「(打者出場の場合)守ることはできないから。DHの枠をつぶしてしまっていいのかというのもある」と、新たに浮上する問題も心配した。

 この日は札幌市内の小学校を訪問し、児童と触れ合った大谷。球宴については「選ばれたら選ばれたポジションでしか、出るべきではないと思っている」と、選出された形に従う考え。5戦連発を記録した大アーチも捨てがたいが、最速162キロの剛速球も見てみたい。

 ファンのジレンマは、大谷がそれだけの魅力ある選手だということを物語っている。【本間翼】