ソフトバンク史上最大の猛打爆発で大勝した。1回に柳田悠岐外野手(27)の2試合連発となる6号2ランで先制すると、2回以降も次々に得点を挙げていった。先発全員打点の17安打に14四球も加わって22得点。点数が入らなかったのは7回だけという猛攻だった。20得点以上は球団史上11度目で、ダイエー最終年の04年8月27日西武戦以来12年ぶり。ちょっと強すぎるんじゃないの?

 「21584101」。ソフトバンクのスコアボードには華やかな数字が並んだ。3安打5打点でお立ち台に上がった長谷川が言った。「すごい…。7回の0が逆に目立つ感じですかね」。毎回得点こそ逃したが、17安打に加えて14四球を選び、先発全員打点の22得点の猛攻だった。工藤監督は「初めての経験。ありがとうございます。久々に前半から何もしなくていい、楽なゲームをさせてもらいました」と満足そうな表情を浮かべた。

 打線に火をつけたのは柳田だった。1回1死二塁からディクソンの低めカーブをこすりあげた。ヘルメットがズレるほど体勢を崩されたが、打球はそのまま左翼スタンドへ突き刺さった。「下で、足で粘れた」と納得の6号先制2ラン。22日西武戦の4打席目の5号ソロから中1日、2試合にまたがる2打席連発で勢いがついた。

 2安打3四球の柳田は、インタビュアーから「全打席出塁です」と問いかけられた。実際には3回に2打席回り左飛に倒れている。柳田は苦笑いで「アウトになりましたよ。スコアブックはしっかりつけてください」と笑わせたが、間違いも無理ないような試合内容ではあった。

 3連覇に向けて首位を順調に走るが、選手たちの心に隙はない。この日も午後1時ごろから始まるアーリーワークで、松田、本多、中村晃、今宮らがいつも通りにフリー打撃。試合後も自分のスイングに納得しないと帰宅しない長谷川、資料室で反省する柳田とレギュラー陣が休む暇なく打撃を極めようとしている。

 工藤監督も次戦に向けて気を引き締めた。「意外とこう打って次の日打てないということがあるので、明日もう1回仕切り直していつもの形に戻したい」。この日は屋根を開けて試合をする「ルーフオープンデー」だったが、天気予報が悪く中止になった。長谷川も「明日は(屋根が)開くと思うので、またスカッとするような試合を見せられるように頑張りたい」と前を向いた。

 ▼ソフトバンクが1試合22得点。22得点以上を挙げたチームは10年8月25日の阪神22-8広島以来。パでは09年6月11日のロッテ23-2広島以来で、球団では前身時代を含め5度目。ダイエー時代の03年、プロ野球記録の1試合32安打、リーグ記録の1試合29得点をマークしたオリックス戦でまたも爆発した。先発全員打点は楽天が13年8月4日日本ハム戦で記録して以来。7回だけ無得点で、史上6度しかない毎回得点を逃した。オリックスは2リーグ制後の球団ワーストとなる14与四球だった。