DeNA先発今永昇太投手(22)が6回2/3を被安打6、1失点(自責0)の粘投でしのぎ、プロ初勝利から4連勝。チームも今季最多の6連勝で、3日時点で最大11まで膨らんでいた借金を完済し、開幕2戦目以来となる勝率5割復帰。4月1日以来のAクラスに再浮上した。

 今永が、こん身のガッツポーズをつくった。1点差でマウンドを2番手須田に託した7回2死満塁。菊池に7球直球でフルカウント。先輩右腕が、外角スライダーで見逃し三振に仕留めたのを、ベンチで見届けたときだった。マウンドの須田と同時に雄たけびを上げた。試合後は「須田さんさまさまです」と感謝の言葉が止まらない。イニング完了まで投げ切れなかった悔しさを胸にしまい、チームの一員として単純に勝利だけを目指した。

 苦しい内容も粘りが全てだった。3回までに61球を要し制球も思い通りとはいかずに「調子が悪いということを受け入れたことが粘投につながった」と振り返った。戸柱とのバッテリーでカーブを多投し、復調の糸口を探った。結果的には中継ぎ陣の力も借りてリードを守り抜いた。5月に入ってからは石田、今永、砂田の若き先発左腕でチームは10戦10勝。その一端を担うルーキーは「同じ勝ちでも石田さんの内容とでは濃さが違う。僕は勝たせてもらっている」と謙遜した。

 ▼4月終了時に0勝4敗の今永が5月に入って4連勝。DeNAの新人で月間4勝は53年4月権藤、56年4~9月秋山(6カ月連続)62年7月稲川に次いで54年ぶり4人目。左腕では53年4月権藤以来だ。今月は石田も4勝。DeNAで月間4勝が2人は86年8月の遠藤と木田以来だが、今永と石田はともに左腕。同一球団で左腕の月間4勝コンビは10年4月杉内と和田(ソフトバンク)以来で、DeNAでは初めて。