頼りになる助っ人の活躍で連敗ストップだ。日本ハムのブランドン・レアード内野手(28)が今季2度目の2打席連続本塁打を放った。5回に14号ソロ、7回に15号ソロを左中間スタンドへ運んだ。5月は2試合を残して10本目。本塁打数でトップの西武メヒアに1本差に迫った。前日27日に右肩の違和感を訴えて連日の指名打者での出場も、持ち味の長打力で3連敗中だったチームの停滞ムードを吹き飛ばした。

 レアードが、爽快な放物線でモヤモヤを吹き払った。5回、タイミングを崩されることなくバットを振り切った。「完璧だったよ」と4試合ぶりの14号ソロ。7回には15号ソロを再び左中間に運んだ。効果的な2連発で試合の流れを、たぐり寄せた。

 前日27日は落ちこんでいた。試合前練習中、一塁側ベンチで報道陣に対応する栗山監督を見つけると、大きな体を丸めて小声で「スイマセン。ゴメンナサイ」。試合前に右肩の違和感を訴えた。この2試合は指名打者での出場。いつもは「2ホームラン? OK!」とサムアップポーズも繰り出すなど、ゴキゲンなやりとりは封印。迷惑をかけた反省を態度で示し、一夜明けて結果でも示した。

 これで5月は10本目。来日2年目で初の月間2桁本塁打となった。脳内に流れ続ける陽気な音楽が、快進撃の支えの1つだ。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷にいる“生身のゆるキャラ”「DJチャス。」のテーマ曲が、大のお気に入り。3月に鎌ケ谷でのオープン戦で耳にしたメロディーに魅了された。ベンチ裏では歌詞の一部「DJチャス。」を連呼。「リラックスするだけだよ」と好調の要因を明かすが、一役買っているのは異色のキャラクター。22日楽天戦のお立ち台で言い放った「アリガトウゴザイマス!DJチャス。!」は、日頃の思いがあふれ出した形だ。「DJチャス。」からは「あと3回、お立ち台で言ってくれたらスシをおごるよ。貧乏人だから、回転ずしだけどね」と、発奮材料も得た。

 栗山監督も、ひと安心。「ここ2、3試合、見ていてモヤ~っとしていたからね」と、プチ不振から脱出したことを喜んだ。チームは連敗を3で止め、足踏みしていた5月の月間勝ち越しも決定。「あと1つ(大谷)翔平に勝ってもらって交流戦に入りたい」。交流戦前の最終戦へ、頼りになる助っ人がいい流れをつくった。【木下大輔】

 ▼レアードが2打席連発で来日初の月間10本塁打をマークした。日本ハムで月間10発以上は、昨年5月に10本塁打の中田以来。過去、05年4月に10本塁打の小笠原、同8月に10発のセギノールらもマークしている。今年の5月は残り2試合で、04年5月セギノール以来、球団12年ぶりの月間11発なるか。球団記録は、東映時代の72年5月大杉勝男の15本。