柔よく剛を制す。楽天内田靖人内野手(21)が2軍で好調だ。イースタン・リーグ5位となる打率2割9分6厘に、5本塁打(5月31日現在)。1日に泉で行われた独立リーグのBFL選抜との試合でも力が現れた。3回無死走者なし。内角の球を思い切りしばいた。打球は左翼フェンスを大きく越えるソロ本塁打。「バットのしなりを使うようになった。力を入れなくても当たれば飛ぶ」と打撃のコツをつかみ始めている。

 プレーに柔らかさが出始めている。14年に捕手として入団後、三塁手にコンバートされた。当初は動きもスローイングもぎこちなかったが、この日の練習試合ではジャンピングスローも披露。打撃フォームも手首を柔軟にすることでタメを作れるようになった。平石洋介2軍監督(36)は「守備は格段にうまくなった。内田は練習する才能がある。打撃で『これだ!』という形をつかめば、来年、上(1軍)で勝負できるかもしれない」と評価する。

 オフにはDeNA梶谷や広島新井が練習する広島市内の「トレーニングクラブ・アスリート」で自主トレ。肉体改造を行い、現在は「101、2キロ」まで体重が増えた。茂木、吉持と内野の大卒新人が1軍で活躍し、若手の内野争いが激しいが「タイプが違う。自分は(中川)大志さんを抜かさないと」と話す。和製大砲としての自覚を胸に1軍昇格をつかむ。【島根純】

 ◆内田靖人(うちだ・やすひと)1995年(平7)5月30日生まれ。福島県いわき市出身。常総学院(茨城)では2年夏、3年夏に甲子園出場。松井裕らとともに高校日本代表にも選ばれた。14年に1軍で7試合に出場し、10月4日のオリックス戦でプロ初安打。15年は1軍出場なし。今季から背番号36。185センチ、102キロ。右投げ右打ち。