スーパーチューズデーだ。ロッテは中日に競り勝ち3連勝。貯金を今季最多タイ9とした。投げては、石川歩投手(28)が7回6安打2失点でリーグトップタイ7勝目。再び規定投球回に達し、防御率はリーグ単独トップだ。打っては、ヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が初回に5号2ラン。これで、石川が投げる火曜は4週連続本塁打。投打の“ひげコンビ”が活躍し、火曜は石川で5連勝と週の頭をものにしている。

 自身5連勝を飾っても、石川の顔はさえなかった。「全然、調子は良くなかった。ストライクゾーンが分からない。地方球場で景色も分からない。自分の球が行っている感じがしない」と、後ろ向きの言葉を続けた。初回、2回と中日打線に芯で捉えられる当たりが多かった。「大量点を取られる内容。気持ち悪い」とまで言った。それでも、3回から何とか修正。7回まで投げきった。

 それができたのは、やはり初回の3点援護が大きかった。角中の先制打に続き、ナバーロが2ランを打ってくれた。石川は「ひげの絆は濃いです」と、やっと笑みをこぼした。2人とも、あごひげを蓄えている。濃いのは、ひげだけではなかった。

 試合前、ナバーロはデスパイネと通訳に言われた。「火曜、石川が投げる日は打ってるね」。初めて気がついた。「そうか、俺は火曜に打っているのか」と気をよくしたか、初回からバットが火を噴いた。2死一塁。バルデスの初球スライダーを見逃しストライク。「2球目は直球だ」と狙いを定め、その直球をフルスイングした。強烈な当たりで左中間上段まで運んだ。

 なぜ、火曜に打てるのか。通常、月曜は野手は休み。パワーをフル充電して臨めるのか。「ノー、ノー、ノー」と照れながら明かした。「休みはゆっくり過ごしている」。映画やプレーステーション4でリラックス。メジャーリーグの野球ゲームがお気に入りだ。前日は名古屋に移動後、デスパイネとブラジル料理店に出かけた。シュラスコを腹いっぱい食べ、翌日からの6連戦に備えた。

 「石川が投げれば、ナバーロが打つ」の繰り返しに、伊東監督は「(石川に)毎日、投げて欲しいね」。冗談を飛ばしたが、週の頭を取り続けていることは見逃せない。「弾みがつく」とうなずいた。好調には、わけがある。【古川真弥】