デジャビュのような感覚に襲われた。同点で迎えた7回2死満塁。2日前、今カード初戦と同じ状況で、日本ハム田中賢介内野手(35)に打順が回った。2球で追い込まれた。それも同じだ。「追い込まれたので(ストライクゾーンを)広めにはしました」。5球目。甘く入った145キロの速球を逃さなかった。打球は、浅めに守る中堅手の頭上を越えた。走者一掃の勝ち越し三塁打。2点適時打だった2日前以上の結果が待っていた。

 今季初の同一カード3連勝で、今季初の7連勝だ。若手主体のチームが、接戦をものにできるようになってきた。「いまは投打すべてにおいてバランスがいい。チーム力がついていると思う」と分析した。

 この日のスタメンで30代は田中賢だけ。若い頃とは違う体の変化は感じている。「子どもよりも早く寝る」と、冗談交じりに笑うほど大切にしているのが睡眠の時間。遮光カーテンで一切の光を排除し、妻千芳さんはかすかな足音さえも立てないように気をつけるという。小型の電気治療器も自費で購入。「朝起きるまでずっとつけています」。微弱の電流を一晩中体にあてる“ぜいたくな”ボディーケアで、戦える体を日々作り上げている。

 7連勝は昨年4月以来で、12年に栗山監督が就任してから最多タイ。明日7月1日からは、首位ソフトバンクとの直接対決3連戦。田中賢はお立ち台で言った。「ウチの主砲がしっかり休養を取りましたので、しっかり活躍してくれると思います」。2試合欠場した中田にハッパを掛けた。試合を終えても、マイクを通してスタメン最年長の“仕事”をこなした。【本間翼】