中日打線が初回から復帰登板のヤクルト由規に容赦なく襲いかかった。リードオフマンの大島洋平外野手(30)が起点となり6得点を奪った。チームはヤクルト戦で8年ぶりの毎回安打をマークし、鬼門・神宮での連敗を4でストップ。3位に浮上した。

 由規コールが響き渡る神宮の雰囲気を快音でガラリと変えた。初回、大島が右翼への二塁打で出塁すると、1死三塁から平田が149キロ直球を先制犠飛とした。1-1の3回も大島、平田が絡んでの得点。2-2の5回には1死二塁から大島が左前打でつなぎ、堂上が決勝の中前適時打。6回途中で由規をマウンドから引きずり降ろした。

 リードオフマンが再三、打線に火を付けた。大島は「(由規の復帰戦で)独特の雰囲気だった。11年はいい投球をされたイメージ。その相手に3本打てたので、明日(10日)につながると思います」。11年の対戦は1試合ながら4打数無安打。10年も対戦があったが1打数無安打。由規にやられた印象が鮮明に頭に残っていたという。「1番が出ればこれだけ点が取れる」。その相手に3本のヒットを連ねた。谷繁監督は「大島が出て攻撃の流れがよくなった」とうなずいた。

 由規が降板後も大島のバットは好調。8回の先頭では右翼線への三塁打を放って見せた。本塁打をマークすればサイクルヒット達成だったが、9回の6打席目は二ゴロ。「ヒットの延長戦がホームランという選手なので、あわよくば入ればと思っていた」と笑った。

 大島だけではない。キャプテン平田は6日広島戦(金沢)の黒田の日米通算200勝阻止した決勝打に続き、由規から2打点。「点を取れるところで打点が出て良かった。(犠飛は)内野も前に出ていたので外野フライでいいと思っていた」と狙い通りだった。決勝打の堂上も「絶対にランナーをかえそうと思って、強い気持ちでいきました」。終わってみれば、試合は毎回の16安打。主役の座を由規から竜打線が奪ってみせた。【宮崎えり子】