ヤクルト山田哲人内野手(23)が、史上277人目となる通算100本塁打を達成した。3点リードの7回無死一塁から、左中間スタンドへ29号2ランを放り込んだ。23歳11カ月での大台到達は、池山(現楽天打撃コーチ)の24歳7カ月を抜く球団史上最年少記録。「記録的なものには興味ないですが、こんなに早く打てるとは思わなかった」。背番号「1」の先輩が持つ記録を自らのバットで塗り替えた。

 “師匠”の教えを守り続けた結果だった。プロ3年目の13年、当時ヤクルトの1軍打撃コーチだった池山氏から「左足を高く上げてみたら」とアドバイスを受けた。山田は「最初は違和感があったけど、徐々に慣れていって自然とタイミングも取りやすくなった」。あの時の一声で、現在の打撃フォームを確立した。

 12年8月10日の巨人戦(東京ドーム)でプロ1号をマークし、積み上げてきた。記憶に残る1発は、14年10月6日のDeNA戦(神宮)の逆転満塁本塁打。これがシーズン192安打で、64年ぶりに日本人右打者の最多安打を更新したメモリアル弾でもあった。「あの時は自分で言うのもなんですが、持っているなって思いましたね。本当にドラマみたいな展開だった」と懐かしんだ。

 節目の1発を含め、4打数3安打3打点と猛打賞の活躍。「ミスタースワローズ」の象徴である背番号「1」の山田が、夏の神宮をド派手に盛り上げた。【栗田尚樹】

 ▼山田が中日15回戦(神宮)の7回に岡田から今季29号を放ってプロ野球277人目の通算100本塁打を達成した。初本塁打は12年8月10日巨人12回戦(東京ドーム)の内海からで、山田は出場492試合、23歳11カ月で達成。試合数ではスピード10傑入りしないが、年齢では79年掛布(阪神)に並び8位の年少到達。ヤクルトでは90年池山の24歳7カ月を抜く最年少100号となった。