ついに中日に「最下位」が忍び寄ってきた。DeNAに完敗し4連敗。今日27日も負けて、最下位の阪神が勝てば同率で並ぶ。

 「そうですか。そこ(最下位)を気にしてはやっていない。とにかく毎日勝つためにやっている」。谷繁監督は一戦必勝を誓ったが、チーム全体のひ弱さが目立ってきた。

 初回の攻防が大きく試合の行方を左右した。先発若松が3連打で2点を先制された。問題はその裏。DeNAの三塁エリアンの失策に近い内野安打と失策で無死満塁の好機をもらった。だがビシエドが三ゴロ併殺に。最低限の1点は奪い、さらに暴投で同点にしたが、これだけ相手にミスがありながら一気呵成(かせい)に攻められない。

 プラス要素はそのビシエドか。8回、7試合ぶりの20号ソロを放った。「手応えがよかった」と右翼へ会心の一撃だったが、主砲は冷静だった。「満塁で打ちたかった。走者がいるときといないときでは投手の攻め方が全然違う。満塁では甘い球が来なかった」

 この日から3カ月ぶりに合流した土井正博臨時コーチに指導を受け、すぐに結果が出たのは大きい。だが、左肘痛のナニータが3試合連続ベンチスタートとはいえ、ビシエドの爆発にばかり期待する現状は危うい。チーム構成上、2軍にも起爆剤になり得る存在がいないのであれば、レギュラー陣が奮起するしかない。

 借金はワースト11。下だけでなく、3位DeNAとは、5ゲーム差に開いた。残りは50試合。秋風が吹き込むにはまだ早い。【柏原誠】