まさかの結末だった。ソフトバンク五十嵐が投じたナックルカーブは、すっぽ抜けた。日本ハム矢野の左肘付近に当たり、押し出し死球。今季6度目のサヨナラ負けを喫した。9回裏1死から登板し、3四死球。ヒットを打たれることなく、自滅した。「最後はタイミングを外したかったが、抜けてしまった。窮屈になってしまった。コースを狙いすぎた。結果が結果だけに、申し訳ない」。ベテラン右腕は敗戦の責任を負った。

 昨年とは違い、救援陣がどこか不安定な状況が続く。前夜にはサファテ、スアレスがともに失点し、追い上げを食らった。この日は森福が左打者4人を完璧に抑えた。

 工藤監督は言う。「サファテ、スアレスは球数も投げている。12回までいけば使っていたが、みんなを少しずつでも投げさせようと思った」。勝ち越しの展開になるまで、2人の投入は我慢。他の投手でしのいで活路を見いだすプランだった。「森福君までは計算通りだった。(五十嵐は)よりプレッシャーがかかってしまったかな」と指揮官は振り返った。

 敗れはしたが、初戦を取ったのは大きい。これで1勝1敗。きょう31日には左腕嘉弥真を登録する予定。「ワンポイントでもツーポイントでも、リリーフをつなぐ。細かいことを考えないと。簡単にいけば苦労はない。でも、いい戦いはできている。明日、全力で頑張りたい」と工藤監督は自らに気合を入れた。日本ハムとの死闘はまだまだ続く。【田口真一郎】