野球・ソフトボールが、3大会ぶりに五輪種目に復活する。国際オリンピック委員会(IOC)の総会が3日(日本時間4日午前)、リオデジャネイロで行われ、20年東京五輪で空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンを加えた5競技18種目が追加種目として実施されることが全会一致で承認された。

 野球は、大会参加6チームを受け入れることによって、「9回制」「登録24人」を勝ち取った。今回の追加種目による選手増加は、IOCから最大500人とされていた。全日本野球協会・鈴木義信副会長は「24人8チームだと、ソフトボールと合わせて312人。過半数以下が1つの条件だった」と言う。6チームなら計234人。同副会長は「イニングや人数の問題は、参加国を8から6にした時から一切出ていない。変更するなら現時点で通達があるはず」と続けた。

 「9回制」という野球の本質を守ったことで、今後は大会運営の問題に移る。IOC側は3チームずつの予選リーグ制を提案するが、鈴木副会長は「最終決定はしていない。盛り上げるためには総当たり」と、各チーム5試合の予選リーグから、準決勝、決勝に進む方式を希望。この方式では球場増が必要で、全日本野球協会・市野会長が可能性を認めた福島県開催などが、現実味を帯びてくる。

 東京五輪の成功を、24年以降の五輪種目継続につなげるのが球界の大きな目標だが、24年五輪の種目決定は17年の見通し。今回のように大会4年前に決まる追加種目は、開催国の意向が大きく反映される。残された時間は少なく、普及振興や大リーガー参加問題にも、引き続き取り組んでいく必要がある。【前田祐輔】