ソフトバンクに激震が走った。柳田悠岐外野手(27)が、西武20回戦で右手薬指を骨折した。全治6週間の見込みと診断され、今季レギュラーシーズンの復帰は絶望的。チームは大勝し、優勝マジック点灯のかかった試合での連敗は7でストップしたが、またも主力がアクシデントに見舞われた。3連覇に挑む王者に暗雲が漂った。

 悪夢続きの工藤ホークスに、最大級の悲劇が襲った。柳田が骨折による離脱という最悪の事態が起きた。3回裏の守備だ。炭谷の飛球をスライディングで好捕。この際に、グラブにそえた右手に打球が直撃した。薬指を気にするそぶりを見せたが、「行けます」と4回の打席に立った。痛みに耐えながら、4球ファウルで粘ったが、見逃し三振。これが限界だった。そのままベンチに退き、所沢市の病院に直行。CT、エックス線検査の結果、「右第4指末節骨骨折」で全治6週間の診断を受けた。

 シーズン中の復帰は絶望的な状況だ。10月のクライマックス・シリーズ(CS)で復帰できるかどうか。日本ハムとのマッチレースは、ここからが正念場。柳田の離脱は大打撃だ。工藤監督は帰りのバスに続く長い階段を上りながら、つぶやいた。「今日が一番、しんどいな」。当然だ。球宴明けから失速するチームの中で、打撃復活の柳田が支えていた。出場選手登録を抹消することを明言し、「痛いこと、この上ない。一生懸命やったプレーなので、しようがない。10日間、治療を含めて、やってもらって、痛みの具合を聞いて、今後どうするか話していきたい」早期回復に期待を寄せた。

 検査後、柳田は球場に戻った。「普通に痛い。それ(治療)以外にない」と多くを語らなかった。それでも球団関係者には「6週間もかからんス。とっとと治してきます」と強気に語ったという。攻守に大きな柱がいなくなるが、全員でカバーするしかない。工藤監督は言った。「彼がいなくなるのは大きい。早く戻りたいという思いが強いほど、早く治るかもしれない。だからいい戦いを彼に見せられるようにしたい」。勝利が良薬となることを信じ、奇跡の回復を願った。【田口真一郎】

 ▼ソフトバンクの優勝マジック点灯はお預け。今日の点灯条件はソフトバンクが楽天戦に○か△、日本ハムがオリックス戦に●でM20が出る。