ソフトバンクの最強オーダーが整った。明日8日からクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕。3位ロッテを本拠地ヤフオクドームで迎え撃つ。右手薬指骨折で離脱していた柳田悠岐外野手(27)が6日、チームに合流。紅白戦では3番中堅に入り、2打数1安打。右肘痛で心配された今宮も8番でスタメン入り。決戦を前にようやく役者がそろった。

 ギータの存在は大きかった。初回、柳田は最初の打席で寺原の初球147キロ直球を捉え、三遊間を破る左前打。続く内川の打席ではアウトにはなったが二盗も試みた。「アウトになっちゃいました。まあ普通にやれたんで、それが一番よかったです。(不安は)ないです。大丈夫です、多分」と笑った。9月1日に右手薬指を骨折。心配された打撃にも影響はなく、フルスイング。チームに明るさも運んできた。4番内川も「間違いなく頼れる存在。帰ってくると安心できますね」と喜んだ。

 この日の白組のオーダーでCS第1戦を戦う。1番に出塁率4割越えの中村晃、2番には涌井に打率4割4分4厘の本多が入り、3番柳田、4番内川とチャンスメークする。得点源と期待される5番長谷川が4回に左翼へ2ラン。6番松田は右翼線適時二塁打を放つなど、打線がつながった。

 紅白戦を見守った王球団会長も「(柳田は)あれだけやれるとは思わなかった。今宮も戻ってきて、メンバーもそろった。これで本来の野球がやれる」と手応えを感じていた。

 4年ぶりとなるCSファーストステージは超短期決戦。1点が重要となってくる。この日、工藤監督は主軸にも右打ちなどのサインを出すとナインにあらためて話した。「1点を取る野球をしっかりと意識してほしい。みんなの力を出せれば戦力的にも勝てると思う」。苦しんでV逸した9月とは違う。指揮官の表情にも自信が戻ってきた。【石橋隆雄】