仙台大は4-2で東北学院大に連勝し、最終節を待たずに3季ぶり5度目の優勝を決めた。大黒柱のプロ注目スラッガー3番・松本桃太郎三塁手(4年=北海)が大学生活最後のリーグを打率5割10打点4本塁打の“暫定3冠”で締めくくり、自身3度目の優勝で飾った。チーム初の明治神宮野球大会出場をかけた東北地区代表決定戦(22、23日=仙台市民球場)では、初戦(準決勝)で青森大(北東北2位)と対戦する。

 仙台大が自力優勝でチーム最終戦を締めた。秋に限れば、実に36年ぶり3度目のリーグ制覇。選手たちはNO・1と指で示しながら大喜びした。昨春に続く優勝に導いた森本吉謙監督(42)は「2季空いてずるずるといってはいけないシーズンだった。課題はあるがよくやった。今日だけは優勝の喜びに浸ってもバチは当たらない」と称賛した。

 松本がチームリーダーの役割を果たした。投手陣は昨春まで2年連続の神宮出場に貢献した絶対的エース熊原健人(22=DeNA)が今春卒業。打者として「熊さんがいなくなったから負けたと言われたくなかった」と奮闘したが、春は好機で凡退しチームは3位に沈んだ。プロ志望を告げた進路相談では、森本監督に「本当にプロに行きたいのなら自分のバットでチームを勝たせろ」と入学後初めて叱咤(しった)された。

 春まではボール球に手を出してでも自らの打撃で勝つことを考えていた。だが今秋は、自分を生かすためのチーム打撃に徹した。この日も1打席目はストレートの四球出塁。2打席目は頭から滑り込む一塁内野安打で、自らの記録を更新する通算120安打目をマーク。後続の連打で3点目のホームを踏んだ。5回表1死二、三塁の3打席目は、すくい上げるような技ありの右犠飛でリーグ首位タイになる今季10打点目を挙げた。大学生活最後のリーグを自身シーズンベストの打率5割、本塁打4本で終えた。2度目のMVP(最優秀選手賞)獲得は確実だ。最終節を残し、打撃3部門で首位に立ち、史上初めての2度目の3冠王獲得も期待される。すでにプロ志望届を提出。20日のドラフト会議を前に、松本は「自分が持っている以上の力を出し切りました。指名がなくても悔いはない。次のステージで頑張れる。(大学で)もう少し野球がやれる。このメンバーで神宮に行きたい」と東北代表決定戦をにらんだ。【佐々木雄高】