日本ハムへの雪辱ムードが一気にしぼんだ。ソフトバンクは投打ともに完敗。ファーストステージを連勝で突破した勢いは消え、ペナントレースで大逆転Vを許した現実に引き戻された。敗戦の後、工藤監督は一塁側ベンチで深々と一礼。自身のCS初黒星は、手も足も出ない敗戦だった。

 「とにかく、切り替えて、明日、行くしかない。終わった瞬間に、切り替えるのが大事だ。以上、終わり」

 就任以来、初めて自ら会見を打ち切った。約1分半という質疑応答は異例とも言える短さだった。振り返りようのない完敗。必死に視線を次戦に向けた。

 日本ハム大谷には不安定な立ち上がりを、攻略のポイントに掲げていた。攻略の糸口さえ見つからず、工藤監督も「高めに浮いたボールがなく、低めに来ていた。完敗ですね」と潔く認めた。

 内川が放った左翼線二塁打の1安打だけ。3投手による無失点リレーを許した。爆発が期待された柳田はこれでCS3戦で11打数ノーヒット、5三振。「実力の差。(大谷は)すごい。俺じゃ打てない。打てるように頑張ります」と自嘲気味に話した。

 相手にアドバンテージがあるため、あと2敗すれば、今季が終わってしまう。CSに限れば、ソフトバンクは札幌ドームで6戦全敗。完敗のショックを忘れられるか。今日13日の第2戦は何が何でも勝つ必要がある。【田口真一郎】

 ◆CSファイナルステージ 6試合制で先に4勝した球団が日本シリーズに進出。シーズン優勝球団に1勝のアドバンテージが与えられる。引き分けを除いた勝ち数が同じ場合は優勝球団が勝者。延長戦は12回まで。12回表終了で勝ち上がりが確定した場合、裏を行わずコールドゲームとなる。予告先発はパだけ実施。