攻略よりも、まずはディフェンス-。西武辻発彦監督(57)が17日、辻流の怪物対策を説いた。前日に日本シリーズ進出を決めた日本ハムの165キロ男、大谷について「すごいよなあ」と感嘆。そんな剛腕から勝つ方策として「点を取られなければいいんだな」と、守備の職人ならではの視点を披露した。

 にこやかな表情とは裏腹に、しっかり足元を見つめていた。この日は21年ぶりに古巣のユニホームに袖を通し、秋季練習を指揮。就任後、初めて立った西武プリンスドームで、最初にチェックしたのは今季から張り替えられた人工芝だった。「打球がはねるかな、という印象。でもどんなグラウンドでも基本は一緒。気持ちを前に出して、足が出ないと応用は利かない」と守りの基本を力説した。

 打てなくても、失点しなければ負けない。今季、両リーグ最多101失策の克服へ、技術向上とともに求めたのは問題意識の共有だった。「勝つために何を強化しないといけないか。個々が肝に銘じてくれないと、チームは1つになれない。気持ちの統一感を持ってやっていきたい」と引き締めた。

 名二塁手として6度の日本一を支えた。当時のライトブルーの戦闘服は、今では強い西武の象徴だが、「自分が入団する前(79~81年頃)は勝てなくて恥ずかしかったという話も聞いた。それが『あのユニホームが強く見えた』って言われるようになるんだから。(今のユニホームも)そうなればいい」。常勝復活へ、新監督が決意新たに本格始動した。【佐竹実】