おめでとうございま~す! 20日に行われる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」に向け、広島が19日、都内のホテルで最終のスカウト会議を終え、創価大・田中正義投手(4年=創価)の1位指名を明言した。松田元オーナー(65)、緒方孝市監督(47)も交えた会議で決断。くじ引きには「神ってる」を生み出した緒方監督が臨む。決めぜりふが出るか!?

 最後のスカウト会議を終えた松田オーナーは、はっきり言った。「一番いい選手で。競合覚悟。田中でいくよ」。強い姿勢を打ち出すことで他球団が指名を避ける、わずかな可能性も求め、14年ドラフトでの有原以来の公表に踏み切った。「ものが違うよ。肩も問題ない」。変わらない最高評価で“ポスト黒田”を担えるNO・1右腕に狙いを定めた。

 ロッテは早々と1位指名を公表し、この日は巨人も田中指名を明言。競合は確実な状況だ。逸材の指名権獲得へ。すべてを託されたのは緒方監督だ。何を隠そう「神ってる」の生みの親。関係者の間では無類の勝負強さで有名で、結局一本釣りに成功した昨年のドラフトでも「体中にそういう(開運の)アイテムは忍ばせていた」と明かし、くじを引く準備は整っていた。

 チームを挙げて全力でバックアップする。球団はドラフト当日用に、漆が塗られた高級鉛筆を特別に用意。柔らかい布に丁寧に包まれ、1本なんと1600円。関係者の勝負ネクタイは当たり前。明かさなかったが緒方監督の勝利のルーティンとともに「神る」準備を整えた。指揮官の「おめでとうございま~す!」の決めぜりふも飛び出すか。田中を引き当てた暁には背番号18を用意する可能性も高い。

 当然田中の交渉権獲得に失敗した場合にも備えて、会議では何通りもシミュレーションを重ねた。確認したのは外れ1位での競合も覚悟した攻めの姿勢。外れ、外れ1位まで想定し、いずれの場合も即戦力投手の指名に踏み切る。くじ引きも「2回までは監督よ。3回目は勘弁してくれって言っていたけど」と松田オーナーは豪快に笑った。連覇を目指す来季へ、ドラフトは大きなカギになる。良き縁がありますように-。【池本泰尚】