阪神が今日20日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、桜美林大の最速153キロ右腕、佐々木千隼投手(4年=日野)を1位指名の最有力としていることが19日、分かった。金本知憲監督(48)を交えて東京都内でスカウト会議を開催。創価大・田中正義投手(4年=創価)も1位候補に残して20日に最終決定するが、2択の軸を佐々木にシフトした模様。ヤクルトも佐々木1位が有力視され、昨年ドラフトの金本監督VS真中監督の再現もある!?

 阪神のドラフト1位は、佐々木が最有力になった。金本監督を交えて、東京都内でスカウト会議を開催。指揮官は1位選手について、「これがまだ全然。決まっていないから言えない。明日、みんなで決めることです」と話すにとどめたが、桜美林大の153キロ右腕への入札が濃厚になった。今夏は大学日本代表の主戦として奮闘。今秋は連続イニング無失点を53回に伸ばし、年間7完封もマーク。故障知らずの強いボディーも特徴で、金本監督が高く評価していた。

 田中か、佐々木か。阪神は1位について二者択一のツープラトン作戦を練ってきた。関係者は「どっちに何球団つくかを見て、ギリギリまで検討する」と、水面下で情報戦を展開。だがここへ来て、巨人や広島、ロッテなどが田中1位を公表。佐々木への指名球団が少なくなってきたことも、軸を移した要因になったとみられる。四藤球団社長は「ある程度、そこ(2択)までは絞り込んでいます。ただ他球団の動向も読みにくい。最終決定は明日」と田中を残しつつ、運命のくじ引きを金本監督に託す。

 金本監督VS真中監督がドラフトを巡り、再戦する可能性もある。ヤクルトも佐々木1位が濃厚。現時点で1位を表明しているのはロッテ、巨人、広島の創価大・田中への3球団のみで、さらに佐々木指名球団が増える可能性もある。

 昨年ドラフトでは高山の1位指名を巡り、阪神とヤクルトが競合。今回からは混乱防止で外れくじが白紙になるが、金本監督は「真っ白なの? 紛らわしいことはないんだね」とニヤリ。ウエーバー順のため、昨年に続いてヤクルトが先に引くが、今年こそ当たりで即、2年分のガッツポーズを決めたいところだ。

 外れ1位には慶大の153キロ右腕、加藤拓也投手(4年=慶応)が浮上。立正大・黒木優太投手(4年=橘学苑)、流通経済大・生田目翼投手(4年=水戸工)らも候補。指揮官は、験担ぎは「ない」、サプライズも「ないでしょう」。泰然自若で2度目のドラフトに臨む。