楽天から1位指名を受けた、「高校BIG4」の横浜(神奈川)藤平尚真投手(3年)が、少しだけ口元を緩めた。ウエーバー順で3番目の楽天から、早々と名前を呼ばれた。「1位でくるか少し不安だったけど、1位で指名されてうれしい」と、あどけなさが残る口調で笑みを浮かべた。平田徹監督(33)も「外れ1位かと思ったが、早くに指名していただいてありがたい。ホッとしている」と感謝した。

 仙台の印象について、「あまり分からない。寒いなと思う」と話すにとどめたが、チームについては冗舌だった。「同じ神奈川の高校の先輩である松井裕樹さん(桐光学園出身)がいる。近くで勉強させてもらって成長していきたい。1学年上のオコエさんにもいろいろ教わりたい」。チームは13年松井裕、14年安楽、15年オコエと甲子園のスターを1位指名。藤平にとって手本はたくさんいる。「新人王にこだわって、タイトルを取りたいと思います」と頼もしく話した。

 最速152キロ右腕の夢は膨らむばかりだ。対戦したい打者は、高校の先輩であるDeNA筒香の名を真っ先に挙げた。さらに目標とする選手は「日本ハム大谷選手」と即答した。「大谷選手が高校時代から憧れていた。野球も私生活も一流だと感じるので、大谷選手のような一流になりたい」と話した。

 「二刀流」の夢プランまで口にした。「自分はバッティングも好きなので、練習もしっかり取り組んでいきたい。出場する機会があれば全力を尽くしたい」。9月に台湾で行われたU18(18歳以下)アジア選手権は、投手登録ながら、台湾戦で「6番左翼」で先発出場するなど、3試合に野手で出場。新チーム発足当時はクリーンアップを務め、高校通算24本塁打を誇る。楽天のチーム事情が許せば、チャレンジしたい意向を口にした。

 「高校BIG4」の作新学院・今井、履正社・寺島も1位で指名された。「スタートラインは一緒。ここからが勝負です」。高校で立てなかった頂点をつかんでみせる。【鳥谷越直子】