すぐに先輩の顔が浮かんだ。テレビ中継を見ていた履正社・寺島成輝投手(3年)はヤクルトの単独1位指名が決まると「ぞわっとした」とニッコリ。「1位を目指していたのでうれしい。(ヤクルトは)明るく野球をやっている印象。去年優勝しているし、レベルが高い。山田さんと野球が出来ることがうれしいです」と、また笑顔になった。寺島にとって6歳上の山田は「雲の上の存在」。ヤクルトといえば山田なのだ。

 これほど心強い先輩はいない。昨冬に対面したときは「頑張れよ」と声もかけられた。もちろん、憧れるプロ野球選手の1人。「異例の成績を残した方。どのような考えで打席に立っているか、聞いてみたい」と、一流打者の思考を間近で学ぶつもりだ。

 持ち味は甲子園を沸かせた最速150キロの直球だが「一番大事にしたいのは打者の感じ方ですから」と、落ち着き払っている。高校生ではあるが、即戦力としての期待も高い。目指すは勝てる投手だ。

 世代NO・1左腕と言われる男は「(目標は)そこまで深くは考えないけど、2桁勝利とかは考えます。開幕1軍にいることが目標」と宣言した。あこがれ続けた先輩とお立ち台でのツーショットを目指す。【桝井聡】