ソフトバンクのV奪回をキャンプ地宮崎市が後押しする。来春のキャンプへ向け、生目の杜運動公園内の球場、施設などを1億円かけて改良する。この日、宮崎県の副知事とともに戸敷正宮崎市長(64)が秋季キャンプを陣中見舞いで訪問。差し入れの宮崎産の伊勢エビだけでなく、施設改修お土産も用意されていた。

 室内練習場に隣接する1軍室内ブルペンの捕手ゾーンは、黒土部分を人工芝に変える。経費は約2000万円。現在の人工芝ゾーンを数メートル伸ばすことで、ストレッチや補強運動などを行うための室内練習場代わりにできる。これまで、雨天時は1~3軍約90人の選手が一緒に室内で練習できず、時差練習となっていた。だが今回用途が広がることで練習も効率的になる。戸敷市長は「気持ちよく選手が練習できる環境を整えて、また日本一を目指してもらいたい」と熱く話した。

 メーンのアイビースタジアムには約7000万円をかける。秋キャンプの前に内野の土を掘り起こしてデコボコをなくした。最新のスピードガンも導入。スタンド席を新しくし、雨漏りがしないように屋根も改修する。第2球場のスコアボードも、手書きだったチーム名が電光掲示になる。

 春季キャンプの週末には3万人を超えるファンが集まる。巨人が沖縄と併用になって期間が短くなったため、ソフトバンクは宮崎市にとって大事な存在だ。今春、球団幹部が日本ハムの米国アリゾナキャンプを視察。日本一の成果が出たこともあり、ソフトバンクも将来的に海外キャンプを張る可能性もある。だが利便性や集客性で勝る宮崎市は、今後もホークスを支え続ける覚悟だ。【石橋隆雄】