阪神がマウロ・ゴメス内野手(32)に対し、今日15日にも来季の契約をしない方針を通達することが14日、分かった。来日3年目の今季は139試合に出場し、打率2割5分5厘、22本塁打を記録。チームは来季の外国人に打てる三塁手を調査しており、構想を外れたゴメスは退団することになった。

 阪神に3年間在籍したゴメスが今季限りで退団することが確実になった。来季の去就に関し、不透明な状況が続いていたが、今日15日をメドに代理人側に方向性を伝える予定だ。まだ新外国人は決定していないが来季の補強ポイントと合致していないこともあり、来季の契約をしない方針を通達する見通しになった。

 ゴメスは来日1年目の14年に2割8分3厘、26本塁打と上々の結果を残した。109打点で打点王を獲得し、シーズン2位ながらCS制覇から日本シリーズ進出に大きく貢献した。2年目以降の飛躍も期待されたが、伸び悩む姿があった。今季は22本塁打を放ち、一定の長打力を発揮した。しかし打率は来日以来、ワーストとなる2割5分5厘。チャンスに弱い側面も見せ、打線低迷のチームを救う存在になれなかった。3年間で65本塁打を記録したが、数字ほどインパクトのある活躍は見せられなかったことも低評価につながった。球団首脳は「契約はしない方向になる」と話した。

 球団側は来季のチーム編成として、オリックスからFA宣言した糸井と交渉を行い、獲得に力を注いでいる。外国人では打てる三塁手を補強ポイントに調査を続けている。4番候補として、ロブ・セゲディン内野手(27=ドジャース)をリストアップしていたが、交渉は難航。元楽天のケーシー・マギー内野手(34=タイガース)を有力候補に挙げ、新外国人の選定を加速させていくことになる。

 ただし打てる三塁手はメジャー球界でも少なく、新助っ人確定は長期化する可能性もある。そこで契約を見送ったゴメスと再契約を結ぶ選択肢も消えていないが、球団首脳は「可能性はかなり低い」と話す。金本監督は糸井を獲得した際には2番で起用するプランも披露したが、すべては4番を任せられる新外国人の獲得が前提になる。球団側は慎重に絞り込み作業を進めていく方向だ。

 ◆マウロ・ゴメス 1984年9月7日、ドミニカ共和国生まれ。03年レンジャーズと契約。12年レッドソックスに移籍後メジャー昇格し、37試合で2本塁打、17打点、打率2割7分5厘(メジャー在籍はこの年のみ)。ブルージェイズ傘下を経てナショナルズ傘下在籍中の13年オフ、阪神と契約した。来日1年目の14年、開幕からの球団最長となる27試合連続出塁を達成。同年は出場全143試合で先発4番を務めた(阪神第95代4番打者)。同年109打点でセ・リーグ打点王、一塁手のベストナインを獲得。翌15年は全143試合に出場。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は2億円。