大学の部は、ドラフトで中日から1位指名を受けた明大(東京6大学)の柳裕也投手(4年=横浜)が「投打二刀流」の活躍で、上武大(関東5連盟第2)に勝利した。

 柳が、最高の舞台で1発を放った。4回1死三塁。直球を振り抜くと打球は左中間スタンドへ吸い込まれた。リーグ戦では味わったことのない感触だった。「外野フライを打とうとした結果。良かったです。控えの4年生たちが、一生懸命に打撃投手をやってくれたおかげです」。高3春の甲子園以来となるダメ押しの2ランに笑みがこぼれた。

 前日にロッテ1位の桜美林大・佐々木千隼投手(4年=日野)が、大学初本塁打を放ち「投打二刀流」の活躍を見せた。「すごいなと思いました」と柳は意識しなかったが、負けられない気持ちは同じだった。試合当日の朝練習では、いつもの倍の打撃練習を行った。善波達也監督(54)は「千隼に影響されたのかな。あの1発がなかったら勝てなかった」と褒めた。

 本職の投球では、7回を5安打無失点に抑えた。準々決勝から12イニングで0点を並べた。「決勝は一番大事な試合。行けと言われたら言われたところで行きます。今回こそ、何としても日本一をという気持ちでいきたい」。過去に2度、決勝で敗れ秋の日本一を逃した。佐々木千とのドラ1対決を制し、今度こそ頂点をつかむ。【和田美保】