「森繁節」がさく裂した。中日の球団納会が22日、名古屋市のホテルで行われ、森繁和新監督(62)が全員を前にざんげした。「今シーズンはつらい、苦しい思いをさせておわびします」と繰り返した。

 壇上で、2分ちょうどのスピーチ。白井オーナーら全役員、落合GMや選手、スタッフがそろう前で、色つきメガネの奥の眼光は真剣だった。「最下位のチームは何を言っても始まりません」。ヘッドコーチとして、8月からは監督代行としてチームを担い、最下位に沈んだ。屈辱はすべて受け入れ、謝罪した。聞き入った選手は神妙な顔で微動だにしなかった。

 もちろん、ただの弱気発言ではない。冒頭のざんげから一転、リベンジ宣言に転じた。

 「これほど悔しい思いをした選手は必ずやってくれると信じています。私たちも意気込みは一緒。見ててください。私は何かを動かします。そうでなかったらこの場にはもういません。覚悟はできています。うまい酒を最後に飲ませてもらいましょう。もう少し我慢してください」

 まくし立てるような真剣な口調に、会場は静まりかえった。秋季キャンプを欠席してまで、ドミニカ共和国やキューバで選手探しに奔走した。責任感と重圧を誰よりも感じているのは監督自身だが、すべてを胸に隠した。

 選手会長の大野は「監督が就任したとき『最下位の悔しさを胸に戦ってくれ』と言っていた。全員で受け止めなければいけない」と指揮官に追随。やられっぱなしで終わるつもりは毛頭ない。【柏原誠】