バチバチで6枠を争え! 阪神金本監督は来季のレギュラーについて右翼福留、中堅糸井に確約を与えた上で、残る6ポジションは白紙とした。「その2人(福留と糸井)は決まり」と断言。残りの野手枠を問われると「いや~、分からんで、これは」と強調した。

 一塁コンバート案もあった福留は右翼専念が決定。一塁は原口が有力候補と予想されるが、三塁手の新助っ人キャンベルが守る可能性もあるという。「捕手、一塁も分からんね。外国人選手の守りがあまりにひどかったら、一塁に行くかもしれないし。原口の肩の状態もあるし」。右肩に不安が残る原口だが、本職の捕手として使える状態になれば、一気に正捕手候補に躍り出る。梅野や坂本は一瞬のスキが命取りになる。

 二塁、三塁、遊撃を巡る争いも極めて激しい。現状は北條が遊撃レギュラーに前進中。ただ、今季途中まで不動の遊撃手だった鳥谷が黙ってはいない。鳥谷は二塁、三塁も守れるだけに、どのポジションのレギュラー候補でもある。

 指揮官は鳥谷のポジションが流動的であることを認めた上で「そういう(レギュラーを奪い返す)気持ちでやってくれると思う。まだまだ若いし、伸びる要素はある」と逆襲に期待する。二塁には左アキレス腱(けん)断裂からリハビリ中の西岡に上本、大和、板山。キャンベルが本職の三塁にも新井、今成が控える。

 左翼は高山が最有力候補。とはいえ、江越、中谷、板山、横田ら若虎の巻き返しも見ものだ。6枠のレギュラーを「分からない」とした指揮官の悩みが前向きに深まれば深まるほど、チームの底上げは進む。