来年3月に行われる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、阪神藤浪晋太郎投手(22)の侍ジャパン入りが有力となっていることが4日、分かった。今季は7勝11敗、防御率3・25と苦しんだが、侍ジャパンの首脳陣はスケールの大きさを高く評価。巨人菅野、日本ハム大谷らとともに、侍メンバーに名前を連ねる可能性が高い。

 藤浪のWBC出場が有力となっていることが判明した。プロ4年目でもっとも厳しいシーズンを過ごし、当落線上に位置していると思われたが、藤浪の名前は「候補者リスト」の中心にあった。球界関係者が「今年こそ苦しんだけど、侍ジャパンの首脳陣は彼の持つ能力を高く買っている。代表には華がある選手が必要。現時点で、WBCメンバーの1人としてイメージしているようだ」と明かした。

 藤浪は今年11月に行われた侍ジャパン強化試合に選出された。招集を辞退した選手もおり、滑り込みで代表入りした形だった。同12日オランダ戦(東京ドーム)では「第2先発」として登板し、3回2失点。1イニング目に相手4番から2ランを浴びたが、その後は安定した投球を披露。他の投手勢がWBC公式球の扱いに苦しむ中、修正能力の高さを示した。

 成長を続けるポテンシャルの高さが大きな魅力だ。藤浪は今年9月14日広島戦(甲子園)で自己最速160キロをマーク。現在は都内で行われているレンジャーズ・ダルビッシュらとの合同自主トレに参加中で、「世界を知る」超一流の心技体を学んでいる。3カ月後のWBC本大会までに、さらなる成長曲線を描くことは間違いない。

 侍メンバーの正式発表は年明けになる見込み。日本人メジャー選手の動向もあり、代表メンバー決定の時期はまだ先になるが、藤浪がWBC行きのチケットを手にする可能性は高い。

 ◆藤浪の代表歴 中学、高校の各世代で日の丸を背負った経験がある。プロ2年目、14年10月の日米野球で侍ジャパンのトップチームデビュー。15年3月の欧州代表戦にも選出。同年10月の「第1回プレミア12」は右肩の炎症を理由に出場辞退。今年3月の台湾戦も、右肩の状態を考慮して招集が見送られた。