【ホノルル(米ハワイ州)13日=田中彩友美】日本ハム高梨裕稔投手(25)が、開幕投手への意欲を示した。優勝記念旅行先でマリンスポーツを堪能後、名所ダイヤモンドヘッド近くの公園で体を動かした。来年3月は第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があり、大谷が出場濃厚なため、3月31日西武戦(札幌ドーム)の開幕投手は白紙の状態。新人王右腕が先発ローテーション入りを第1目標に、ライバルがひしめく開幕投手に立候補した。

 壮大な名所のふもとで、高梨が理想像を掲げた。マリンスポーツを楽しんだ後、自主トレでダイヤモンドヘッド近くの公園に直行。井口とキャッチボールなどで心地よい汗を流した。4年目の来季へ向け「まずは先発ローテ入り。開幕投手を任せられることが最終目標です」と、初の開幕投手も視野に入れた。

 3年ぶりのホーム開幕となる来季の開幕投手は白紙の状態。本来なら、今年まで2年連続で開幕投手を務めた大谷が有力だが、開幕の約1週間前までWBCで戦っている可能性があり、栗山監督は慎重な姿勢を崩していない。その上で、開幕投手について「有原、高梨も候補か」と報道陣に問われ「そうだね」と話し、新人王右腕にも期待を寄せている。

 高梨は3年目の今季途中から先発の一角に加わり、レギュラーシーズン終了まで無傷の8連勝をマークした。入団2年目まで未勝利だったが、地道な積み重ねは栗山監督も評価している。二刀流の大谷、昨季新人王の有原をはじめ、来日4年目を迎えるメンドーサ、米国から逆輸入の村田らも加わり、春季キャンプ、オープン戦でライバルと争うことになる。

 滞在中のハワイでは、食生活改善のヒントをつかんだ。この日の昼食時、レストラン「アロハテーブル」で名物の1つ、南国フルーツ・アサイーを使った「アサイーボウル」に初挑戦した。「見ため的に無理だった」と食わず嫌いだったが思い切って注文。「おいしかった。これだったら朝も食べられる」。これまでは朝食抜きで試合にも臨んできたが、帰国後も取り入れようと計画している。

 プロ初勝利から2桁勝利と、一気に頭角を現した3年目を経て飛躍の4年目へ。今季、自信は芽生えたが「(大谷)翔平も有原も複数年、結果を残している」と向上心が高まるばかりだ。「1年で終わらないように来年も結果を残したい」。まずは先発枠の奪取、そして開幕投手の大役へ、歩みを進めていく。