台湾の人が黒マスクをしていた話はすでに書いた。ノドを痛めたため、全家(ファミリーマート)でマスクを買おうと黒いのを手に取ったとき、うならされた。袋に「平面活性■(へいめんかっせいたん)」と書かれている。マスクの表面に活性炭を含有させているという。ほこりを吸収してくれるということか。日本でも売られているようだが見たことがない。体に良さそうだし、発想の豊かさや商魂のたくましさを思う。

 こんな話もある。ウインターリーグでプレーする、某球団の某選手は名物のタピオカミルクティーを飲みたくなった。人気店の住所を調べてタクシーの運転手に手渡すと、街中をぐるりと回って再び、泊まるホテルに戻ってきたという。何てことはない。お店はホテルの建物内にあったのだ。運転手さんも、なかなか、つわものである。

 ある夜、仕事後にラウンジへ。スタッフに「このパンフレットを見たんだ」と告げると、キャストの写真を指さしながら悪びれずに言う。「この子とこの子とこの子とこの子が同じ」。客寄せのため、美女が化粧を変えて1人4役務めていたのである。台湾の人たちは賢く、ずぶとく、したたかに生きている。若虎も、こんな大胆でタフな姿をグラウンドで出してもいい。

 ◆酒井俊作(さかい・しゅんさく)1979年(昭54)、鹿児島県生まれ。京都市で育ち、早大卒業後の03年入社。阪神担当や広島担当を経験。今年11月から遊軍。趣味は温泉めぐり。

※■は石へんに炭