東大の最速150キロ左腕、宮台康平投手(3年=湘南)が赤門史上6人目のプロを目指す。23日、同大野球部が年内の活動を終了。来年、ラストイヤーを迎える宮台は「プロ野球に魅力を感じている。目標は高く見て、春に投げてアピールしていければと考えます」と最高学府から野球界のトップを狙う。

 今夏、東大の投手として83年大越健介以来の日本代表入りを果たし、日米大学選手権で投げた。「僕の野球人生であんなことは今までなかった」。最速150キロを出し、出どころの見づらいフォームで5三振を奪った。中日1位の明大・柳裕也投手(4年=横浜)や、ロッテ1位の桜美林大・佐々木千隼投手(同=日野)と共闘し「引き出しの多さやメンタルの強さを感じた」と刺激を受けた。

 春は初完封を飾り2勝したが、秋は左肩の腱板(けんばん)炎症で1イニングしか投げられなかった。「秋は悔しかったのでリベンジしたい。勝ち点を取るにはしっかり僕が投げることが大事」。法学部で国際法などを勉強するインテリ左腕は、ふがいなさと探求心にも突き動かされた。

 左肩の炎症を和らげるため、現在はキャッチボールを繰り返す。「宮台復活委員会」と称し、浜田一志監督(52)やトレーナーが動画などで日々チェックする。2月には大分・別府市内の病院で徹底的に検査を受け治療する。宮台の復活がチーム15年ぶりの勝ち点へ直結する。「いろんな方に協力していただいてありがたい。責任が生じるし春は結果で応えたい」。やれることをやる。それが宮台の今の答えだ。【和田美保】

 ◆宮台康平(みやだい・こうへい)1995年(平7)7月1日、横浜市生まれ。小3で野球を始め戸塚中では軟式の野球部に所属。湘南(神奈川)では1年秋からベンチ入りし、3年夏に「背番号1」で3回戦敗退。東大文科1類に現役合格し、現在は法学部。1年秋に初登板し2年秋にリーグ戦初勝利。通算4勝6敗、防御率2・51。家族は両親と弟2人。178センチ、84キロ。左投げ左打ち。

 ◆過去に東大からプロ入りした選手は、64年大洋入団の新治伸治投手(大学通算8勝43敗、プロ通算9勝6敗)、66年ドラフト3位で中日入団の井手峻投手(大学通算4勝31敗、プロ通算1勝4敗)、91年ドラフト8位でロッテ入団の小林至投手(大学通算0勝12敗、1軍出場なし)、99年ドラフト7位で日本ハム入団の遠藤良平投手(大学通算8勝32敗、プロ通算0勝0敗)、04年ドラフト9位で横浜入団の松家卓弘投手(大学通算3勝17敗、プロ通算0勝1敗)の5人。井出の外野手成績は359試合、1本塁打、打率1割8分8厘。