最速150キロ左腕の宮台康平投手(3年=湘南)にとって、希望と課題の見えた1年だった。

 春は4試合で完投し2勝を挙げた。立大1回戦では東大投手としては05年秋以来11年ぶりに相手打線を完封。83年大越健介投手以来33年ぶりに大学日本代表に選ばれると、日米大学選手権第3戦で先発し最速を2キロ更新する150キロを出した。2回2/3を3安打2四球5三振1失点で踏ん張ったが惜しくも敗れた。「僕の野球人生であんな経験は初めてでした。やりたいようにやられてしまいましたが、真っすぐは空振りも取れたしスピードにも納得がいきました」と手応えもつかんだ。

 左肩の腱板(けんばん)炎症を発症し秋は1イニングのみの登板。現在は炎症を取り除くことを最優先にしてトレーニングに励む。「体を強くして、まずは中1日で投げられるようになることが大事」と来季、15年ぶりの勝ち点を見据える。1年間、もがいた中で選択した進路はプロだった。「指名されるまで手応えは分からない。安泰できる立場ではないですが、目標を高くやってみたい」。東大出身者として史上6人目のプロ野球選手誕生なるか。春のリーグ戦での快投を願うばかりだ。【和田美保】