阪神青柳晃洋(23)は1年目の中盤から先発ローテーションに収まった。下手投げ気味の横手投げ。自身が名付けた「クオータースロー」の変則右腕が、ルーキーイヤーから力を発揮した。6月1日楽天戦でプロ初登板初先発で初勝利を挙げた。13試合登板で4勝5敗、防御率3・29と1年目としては十分な成績を残した。

 特に印象的だったのはセ・リーグの並み居る好打者たちが四苦八苦する姿だ。首位打者を獲得した巨人坂本が対戦したくない投手に青柳の名を挙げると、ヤクルト山田も「青柳さんは打ちにくさがある」と、冗談交じりに年下の変則右腕に敬意を表した。その言葉を裏付けるように、被本塁打は68回1/3でたったの1本。16年にセ・リーグで50イニング以上投げた投手で最も少ない数字だった。

 今オフは台湾ウインターリーグにも参加し、最優秀投手賞を獲得。同賞は15年に、10勝左腕となった岩貞が獲得した縁起のいいタイトルだ。金本監督も先発ローテの5番手として期待する。青柳旋風が吹き荒れそうだ。【阪神担当=梶本長之】