阪神掛布2年目はムッシュイズムで挑む!! 阪神掛布雅之2軍監督(61)が21日、今季は守備重視のスタイルで勝負する方針を示した。現役時代、吉田義男監督(現日刊スポーツ客員評論家)から学んだ攻撃的守備が手本だ。守備を鍛え抜くことで打撃にも生きる。

 「守りで、球を捕るポイントを考えて野球をやろうと。打ったり投げたり、すべてが、腕と球の距離とかにつながるんじゃないか。吉田さんなんかは『シュア&クイック』だからね」

 急がば回れだ。就任1年目だった昨季を「1軍に上げるために打たせなければという意識が強すぎた」と自省。守備重視への発想の転換にはキッカケがある。昨年12月、吉田元監督とABCラジオで対談した時に「吉田さんは『守りは野球の攻撃だ』と」とトーク。この日も「打つ打つと言っていたけど、吉田さんのとき、守るノックの量も含めて、そういうものから野球の土台ができていったと感じた」と思い起こした。

 若き日々、吉田監督からペッパーで低い捕球姿勢をたたき込まれた。「低く低く、下から下から、前で前で。5分でも死にそう。腰を上げたら怒られたし、投げたらすぐ構えろと言われた」。捕球時は体とグラブ位置の三角形を思い描く。間合いをとれる守備は、巡り巡って打撃にも生きる。

 「絶対に、捕るときも窓を拭くくらいのポイントで手を使う。守りから考えると打つ腕の使い方とかね」。今季の抱負は「ソフトバンク6連覇の阻止」。本塁打王3度の大砲は、ダイヤモンドグラブ賞に6度も輝いた名手でもあった。今年は堅守から猛攻に転じる。【酒井俊作】