東日本国際大(南東北大学野球、福島)の最速146キロ左腕・有馬昌宏(2年=青森北)がV奪回、そして同大から初のプロ入りに意欲を見せた。既にチームは10日に始動しており、3月の沖縄キャンプ入りまで調整を続ける。春は3勝を挙げ一気にブレークしたが、秋は調子が上がらず2勝1敗に終わりリーグ4連覇を逃した。「勝てる投手を目指すあまり、投球が小さくなっていた。分かっていても打たれない150キロの直球を投げられるようになって、憧れのプロに入りたい」と意気込んだ。

 高3春から取り組んでいる独自の投げ方で相手を幻惑する。投球時にテークバックを頭の後ろで小さくつくる姿が「歌舞伎役者」に似ていることから、大学入学時に「歌舞伎投法」と命名された。球の出どころが分かりづらく「ぎりぎりまで手が出てこないのが理想。頭の後ろに隠れるのが長ければ長いほどいい」と分析する。183センチ、86キロの体格から投げ込む最速146キロの直球に、100キロ台の縦に割れるカーブの組み合わせが絶品だ。

 入学同期の右横手投げ・船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ、2年=聖光学院)が既に大学通算18勝を挙げており、絶対的エースに君臨している。有馬は「尊敬しつつも超えなきゃいけない存在」とライバル視する。左右の両輪を形成し、春はV奪回しか見えない。「全国で勝たないと目立たないし、大学ジャパンにも入れない。まずはリーグ優勝、そして大学日本一」と高らかに宣言。風貌も歌舞伎役者のようなイケメンが、優勝の立役者になる。【高橋洋平】