ソフトバンク松坂大輔投手(36)が3日、チーム一番乗りで打撃投手に志願登板した。B組の若手延べ13人と実戦形式で対戦。63球を投げ、安打性の打球は3本のみで、3三振を奪うなど、順調な仕上がりを印象づけた。キャンプ3日目の打撃投手は、プロ19年目で自己最速。21日にはA組に合流予定で、3年契約最終年の今季は本気度が違う。

 周囲もビックリの半袖姿で、松坂が登板した。メジャーで世界一経験もある36歳右腕が、チーム一番乗りで打撃投手に登場。事前に球種を知らせていながら、対戦した若手打者のバットを次々に空を切らせた。

 「(打者に投げることで)今の自分の状態を確認したかった。(去年と)フォームが変わってきているので、いい状態で早く固められたらと思う。もっと投げたかったですけど、もうちょっと先でいいかな。またどこかで投げたいです」

 打撃投手はB組が今日4日、A組は明日5日から若手中心に予定されていた。だが1日のブルペン後、首脳陣にこの日の打撃投手を志願。B組の川瀬、茶谷、黒瀬、育成の堀内、樋越、幸山の6打者のべ13人に63球を投げ、8つの空振りを奪う3三振で安打性は3本にまとめた。

 事前のブルペンでは44球。打撃投手後も再びブルペンで54球。途中からは「カメラ、もういいですか?」と、報道陣を閉め出す真剣モードで、計161球の熱投だった。工藤監督も、昨年までとは別人の松坂の姿に「よかったよ。腕が振れるようになった。下半身の動きが全然違う。昨年よりいいのは間違いない」と評価した。

 今年は3年契約の最終年。15年8月に右肩を手術し、入団後の2年間で1軍登板は1試合に終わっているだけに、今年にかける思いは人一倍強い。今オフは12月に約1カ月間、プエルトリコのウインターリーグに参加。「チームとしてはキャンプ3日目ですけど、ずっと動き続けているので。疲れのピークも早めにもってこられるかな」。先行逃げ切りでの開幕ローテ入りを狙っている。

 今後は第2クール以降、再び打撃投手を務め、実戦登板は最短でB組がパナソニックと練習試合を行う13日となる。A組での登板なら16日から始まる紅白戦か。いずれにせよ、B組のほかのベテラン勢とともに21日にA組に合流する予定だ。「もう、目いっぱい練習するだけですね」。まだキャンプ3日目。今年は目の色が違う。【福岡吉央】