オリックスは宮崎春季キャンプの8日に1、2軍合同の紅白戦を実施し、白組4番の吉田正尚外野手(23)が12球団最速アーチを放った。昨年は球団新人として31年ぶり2桁本塁打。今季は4番候補にも挙げられる成長株が、二塁打2本を打った4日の紅白戦に続いて存在感を発揮した。

 4回1死一塁だった。左腕斎藤の高め直球を右中間へ推定130メートル弾。手応え十分の一撃は、芝生席に弾んで場外へ消えた。「たまたま。あのカウントだったし直球1本。狙ってフルスイングできた」。3ボールから狙い打ちだった。

 他球団のスコアラーを震え上がらせた。開幕戦の相手である楽天からは2人が視察。関口スコアラーは「存在感がすごくある。十分クリーンアップでしょう。今日も1発で仕留めた。打った瞬間の音が違うね」と驚嘆の声。ロッテ高木スコアラーも「投げミスはダメだね」と警戒の色を強めた。

 福良監督は「投手があのカウントにしちゃいけない」と、吉田正なら打って当然とばかり。ただ、意識が高い若武者は「まだまだ。満足せず向上心を持ってやりたい」と語った。紅組の4番だったT-岡田を「完璧でしたね」とうならせたが、こちらも負けじと左翼二塁打。まだ実戦不出場の新外国人ロメロを含めた4番バトルは本格化してきた。【大池和幸】