ゴールデンルーキーの弱点が発覚した。ソフトバンクのドラフト1位田中正義投手(22=創価大)が12日、宮崎キャンプの投内連係でミスを連発した。投手前の緩い打球で二塁に送球する練習で、1回目はワンバウンド、2回目は高くそれた。3回目もワンバウンドでやり直し。4回目でようやく二塁手の胸元へ送球すると満員のスタンドから拍手が起きた。田中は帽子を取って一礼した。

 「フィールディングは苦手です。(大勢の観客の前でミスしたが)そういう職業。慣れていくしかない。よくなるように努力します」。自身も苦手な分野であることは理解している。その後のサインプレーでもバント処理で取り損ね、打者に死球を当てそうになるなど、ドタバタだった。

 オリックス田上スコアラーは「揺さぶる攻めをしてくるチームもあると思う」とインプット。近い距離のスローイングが苦手な田中に対し、投手前のバントなど小技を仕掛けられる可能性も出てきた。

 工藤監督は「1つ1つだよ。はじめからすべてできる人はいない。練習あるのみ」と見守る。投内連係後はブルペンで47球を投げた。楽天小池スコアラーは「ホームベース付近で直球が伸びる。投球は天性のもの」と投球を絶賛した。

 大学時代から守備が苦手という情報は各球団のスカウトが把握していたという。それでも、5球団が1位指名したように、最速156キロを誇る真っすぐがある。明日14日は、いよいよ実戦形式のート打撃に登板。開幕ローテーションを奪うためにも、弱点を地道に克服していく。【石橋隆雄】