160キロ超えの最強ストッパー誕生か!? 阪神の新外国人ロマン・メンデス投手(26=レッドソックス3A)が14日、来日初のフリー打撃に登板。荒木と江越を速球で押しまくり、32球で安打性0本に抑えた。江越が体感スピードで「140キロ後半は出ていた」と証言したが、助っ人右腕は「80%で投げたよ」とまだ2割速くなると宣言。単純計算すれば160キロを超えるだけに、ますます楽しみだ。

 マウンドで、メンデスのドレッドヘアが躍った。荒木と江越の打撃投手を務めた32球で、安打性は0。外野に飛ばされた打球でさえ、1球だけだった。圧倒的な投球。ベールに包まれていた守護神候補が、剛腕の片りんを存分に発揮した。

 「3、4カ月打者に投げてなかったから、そういう意味では投げられたことが良かった。これからもっと良くなっていく感じです」

 自慢の直球だけでなく、スライダーにスプリット、シンカーと持ち球をすべて確認。なかでも真っすぐは、荒木と江越がまともに前に飛ばすシーンがなかった。江越が「140キロ後半? それぐらいあると思う」とこの時期では異例のスピードと証言。だが本人は「日本のマウンドやボールに慣れてきたところ。今日は80%から85%くらいで投げました」と不敵に笑った。

 1月末の入団会見時には「自己最速は162キロ。日本のボールは少し小さいから、もっとスピードも上がる。165キロも目標にしてやりたいと思う」と語っていた。当時は懐疑的な目も向けられたが触れ込みは本物か。「このまま投げていけば(160キロは)出るかな」。8割で140キロ後半なら全力では? 剛球守護神誕生への期待が膨らむ。

 他球団007も警戒感を深めた。ヤクルト衣川スコアラーは「打者もまともなスイングが出来ていなかった。キレももっと出てくる。そうなると攻略は厳しくなる」とチェック。制球面でも「四球で崩れそうな感じじゃない。マテオが“剛”なら“柔”という感じ。肘の使い方はバーネットに似ている」と評価。メンデスが登板すれば、相手打者に「もうゴメンデス」と言わせる勢いだ。

 「今日は内に投げられてないので、今度からどんどん内角に投げる投球をしていきたいと思います」

 今後は17日からの第4クールでもう1度打撃投手を務め、22日紅白戦で実戦デビュー予定。今年の守護神はメンデスかマテオか。カリブの剛腕が、楽しみな選択肢を増やしたことは間違いない。【梶本長之】