広島は20日、宮崎・日南での1次キャンプを打ち上げた。緒方孝市監督(48)は充実の日々に手応え。目に留まった選手として、実戦で結果を出し続ける堂林翔太内野手(25)を挙げ、期待を口にした。チームはこの日のうちに2次キャンプ地の沖縄へ移動。23日から6連戦など実戦重視の争いが幕を開ける。

 天候にも恵まれ、大きなメニュー変更もなく終えた宮崎・日南1次キャンプで、緒方監督はチームの成長を感じた。2次キャンプからは主力である侍3選手がチームを離れるも、新たな戦力の台頭を願う。その中で真っ先に名前を挙げた男に期待感がにじんだ。

 緒方監督 野手では堂林。いい打撃の状態が続いているので、これを継続してやってほしい。

 昨秋から安定して打撃状態が良く、今春キャンプも持続できている。実戦では紅白戦3試合、オリックスとの練習試合すべてで安打を記録。凡退の内容もいい。伸び悩んでいたスラッガーの覚醒の予感に、指揮官も目を細める。

 堂林にも確かな手応えはある。「秋からずっと継続できている。あとは実戦で打席に立ちながら上げていければと思います」。沖縄キャンプに同行しない打撃の師・新井からは置き土産をもらった。前日19日の夜に食事に誘われ、助言を受けた。「オリックス戦でちょっとおかしいなという感覚があったけど、スッと解決できた。対外試合だから感じられたことだと思うし、修正できたことでまた1つ段階が上がったと思う」。23日から6連戦の沖縄キャンプでのアピールに燃える。

 堂林だけではない。指揮官は安部や西川、会沢の名前も挙げた。それぞれのライバルは、侍ジャパンに選出された二遊間と昨季ゴールデングラブ賞の正捕手。壁は高い。だが、緒方監督は「いくら力があっても、その力を出し切れない選手を使う判断は難しい。その中でアピールしてくれれば、こちらは迷いなくスタメンにしようと思う。それくらいのものを沖縄(キャンプ)、オープン戦で見せてほしい」と結果を求めた。WBC組もベテランも、ポジションがまだまだ確約されたわけではない。チーム内のサバイバルレースは、沖縄でさらに熱くなるはずだ。【前原淳】