2年目の進化を証明した。昨季新人王の阪神高山俊外野手(23)が27日、紅白戦で逆方向へ運ぶ「17年1号」を放った。紅組の3番左翼で出場。4回1死走者なしの場面だった。2ボール1ストライクからドリスの151キロ外角球をバットに乗せた。「ストレートを待っていた。風があったんで」。打球は低い弾道で左翼芝生席に突き刺さった。

 高山は1年目の昨季8本塁打をマークしている。そのうち左方向の本塁打は、公式戦では8月14日中日戦(京セラドーム大阪)で、山井から放った1本だけ。確かに高山の言葉通り打球は風に乗った。だが、その風に乗せるだけの技術とパワーが今の高山にはある。

 クリーンアップとしての期待が高まる。金本監督はキャンプの実戦8試合で一貫して高山を3番として起用。その思いに応えるように29打数12安打、4打点、打率4割1分4厘と打ちまくり、8試合目にして本塁打も飛び出した。チャンスメークも出来て1発も打てる。理想に近づいている。

 将来チームを背負って立つ選手と確信する金本監督が求めるレベルも高い。指揮官は「もうちょっといい当たりでスタンドインできるはず」と満足はせず。「甲子園はいい風吹くんだから。浜風を利用しないと」と、甲子園では逆方向への本塁打を量産できるとハッパを掛けた。高山も当然のように「まだ1本打っただけなんで」とサラリ。その表情が何とも頼もしい。【桝井聡】